50代からのリカレント教育
リカレント教育とは、生涯にわたって、教育と就労のサイクルを繰り返すことですが、50代の社会人にとっても無関心ではいられない状況になりつつあります。
あらゆる職種でIT化やDX(デジタルトランスフォーメーション)が推進され、仕事に求められるスキルが大きく変わって来ているからです。
学び直しはなぜ必要か
学び直しが必要になった背景には、IT関連やDXなどの急激な技術革新、産業構造・就業構造の変化があります。
義務教育や高校、専門学校・大学などで学んだ知識だけでは対応しきれなくなっており、同一職場で長年働く場合であっても、常に新しい知識を吸収しスキルアップを図って行く必要に迫られているからです。
50代・60代となると、役職に就いたり部下を持つなど、責任ある立場に立たされることが多くなりますが、IT関連やDXに関する知識がないと、仕事上のリーダーシップも取りづらくなっています。
また、寿命が伸び「人生100年時代」と言われる近年では、働く期間も大幅に延びているため、社内教育や実務で身に付けた知識だけでは対応できないことも増えてきます。
さらに、働き方の多様化や終身雇用制度の見直しなど就業構造が変化しつつある中で、自分の理想とする働き方を実現するためには、得意分野の能力を高めるような学び直しが必要になります。
50代からの学び直し・何を学ぶか
人生100年時代のちょうど中間地点にあたり、気力も体力も十分にある50代。
リカレント教育で学べることはたくさんあります。
まずは、現在の仕事に関連した専門知識を学び、スキルアップを目指しましょう。
ビジネス系では、「MBA・経済・経営学・法率・政治・会計」など、文系では「文学・外国語・社会学・教育学・国際学」など、福祉関係では「健康・医療・介護・栄養学・心理学」など、アート関連では「芸術・美術・伝統工芸・デザイン」などが人気があります。
また、全ての職種でIT関連やDXの推進が予想されることから、「ITリテラシー・情報処理・プログラミング・WEB関連技術」などを学んでおくと、転職や再就職の際にも有利になります。
さらに、興味のある分野の資格取得を目指した学びは、将来の独立起業につなげることができます。
50代からのリカレント教育・どこで学ぶか
日本では未だリカレント教育を導入している企業が少なく、リカレント教育を提供している教育機関も少ないのが現状です。
そんな中で、日本政府(主に文部科学省)が、リカレント教育推進事業を実施しており、多くの大学や専門学校で社会人が学べる機会を増やしています。
大学では、「社会人特別選抜」「編入学」「科目等履修生」「聴講生・研究生」などの制度がありますが、「夜間部・昼夜開講制」「公開講座」「オンライン講座」「通信講座」などは、働きながら学ぶことも可能です。
文部科学省が推奨する社会人の学びを応援するためのポータルサイト「マナパス」では、全国各地域の大学・高専・専門学校の「学び直し講座情報」を検索できます。
「在学生・修了生インタビュー」のページには、50代・60代の方の声も多数掲載されています。
その他、大学以外でも資格取得を目的とした民間の各種スクールが増加傾向にあり、年齢を問わず学べる環境が少しずつ整ってきています。
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