通信教育で学ぶ
50代から何かを学ぼうとした場合、仕事を持っていても家事で忙しくても学べるのが「通信教育」です。通信教育は、何を学ぶかを自分で決めることができ、教材を取り寄せれば自宅で学習を進めることができます。
期間はある程度決められていますが、いつ何時間学習するかなどについては、受講者が自由に決められるため、マイペースで学ぶことができます。
1970年代以降、「生涯教育」という言葉をよく耳にするようになりましたが、それと並行するように「何歳になっても学びたい」「学び直しをしたい」という人が増えつつあります。
そして、学び方のひとつとして「通信教育」は重要な位置を占めつつあります。
通信教育とは?
通信教育とは、通学して教育を受けられない者に、郵便、ラジオ、テレビなどの通信メディアによって、一定の教育課程を履修させようとする教育の形態を指します。
日本では、第2次世界大戦後に教育の機会均等理念のもとに通信教育が制度化されましたが、徐々に全日制教育が拡充され、通信教育の受講者は減少傾向にありました。
ところが、1970年代頃から「生涯教育」や「学び直し」の風潮が高まり、若い世代ばかりでなく中高年世代や定年退職後のシニア世代の受講者が増えつつあるという現象が起きています。
また、通信教育は大学や高等学校で行われている学校教育法による「学校通信教育」と、社会教育法に基づく「社会通信教育」とに大別されます。
学校通信教育
学校通信教育とは、さまざまな事情から通学できない人を対象に、学校教育に準じるものとして大学と高等学校で行われている教育形態です。
文部科学省における学校通信教育の区分は、「大学教育、短期大学通信教育、高等学校通信教育、中等教育学校(後期課程)の通信教育、特別支援学校の高等部の通信教育(学校教育法)」となっています。
指定されたテキスト(教科書など)をもとに自宅で学習するほか、DVDやインターネットで授業を受けたり、指定会場へ一定回数または一定期間通学する「スクーリング」を組み合わせて卒業を目指します。
高等学校通信教育、大学通信教育、大学院通信教育ともに、年齢に関係なく入学することができるので、働きながら学びつつ卒業の資格(学歴)を得ることが可能です。
社会通信教育
社会通信教育とは、生活や職業技能、趣味、教養などの分野において、知識を深めたり技能を高めるために行われる通信教育で、学校通信教育以外の殆どの通信教育が該当します。
社会教育法では、通信教育の定義として「通信教育とは、通信の方法により一定の教育計画の下に、教材、補助教材等を受講者に送付し、これに基き、設問解答、添削指導、質疑応答等を行う教育をいう。」(第五十条)と明記されています。[文部科学省のホームページより抜粋]
年齢に関係なく、いつでも、どこでも、誰でも自由に利用できる学習システムであり、「学校通信教育は敷居が高い」と感じる方でも、気軽に受講することができます。
文部科学省では、民間で行われている通信教育のうち、学習内容、指導方法、経営状況などを審査し、合格した通信講座を「文部科学省認定通信教育」として認定し、その普及奨励を図っています。
認定を受けた社会通信教育は、添削や質疑応答などの郵便費に第4種の安い郵便料金が適用されるほか、優秀な修了生には「文部科学大臣賞」などの表彰が受けられるといった優遇措置があります。
【参考サイト】
>>社会通信教育の振興(文部科学省)
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